バック・クランク基本マニュアル

早稲田大学自動車部
元監督 木村 尚史

前進は元気がいいけど、バックは...。
1年生がフィギアで最も苦労しているバック・クランクについて解説します。
解説は幾何学的に行うので、実際に車両を運転すると多少異なると思いますがこれが基本です。

1.車両諸元

車両諸元はTOYOTAVitzの諸元表を参考にします。 但し、タイヤの幅などを考慮せず、タイヤのスリップも考慮しません。

トレッド1450mm
ホイールベース2400mm
最小回転半径4.3m

2.クランクの設計

車両諸元から各タイヤの回転半径が明らかになったので、次にクランクを作成してみます。
クランクを作成するためには前外輪と後内輪の軌跡が必要になります。
例えば、クランクでは以下のような軌跡となります。

back_htm_m75913a86.png

緑:前輪の軌跡
赤:後輪の軌跡

これにクランクコースを適用すると、以下のようになります。

back_htm_md8f3e16.png

3.バック・クランクの法則

3.1.前外側がはらむのでこの幅を考慮する必要

この幅は、最小回転半径と後外輪の旋回半径の差分です。
今回の例では4.3(最小回転半径)−3.57(後外輪の旋回半径)=0.73。

これは車両諸元からある程度推測できることを意味します。

back_htm_m5fb99ef7.png

3.2.内側にとる幅

クランクを理想的に45度で通過する場合には、幾何学的にこの値が求められます。
これは後内輪の旋回半径からその平方根を引いた値になります。

従って、今回の例では、2.12(後内輪の旋回半径)−2.12 / 2^0.5=0.62

back_htm_m3d471d0d.png

3.3.コースの必要幅

以上の結果よりコースに必要な幅は

0.73(外側に必要な幅)+1.45(トレッド)+0.62(内側に必要な幅)=2.82

3.4.巻き始める位置

バック・クランクで最も大きな問題となっているのは、恐らく“いつ後輪を巻き始めるか”ということだと思います。

クランクを理想的に45度で通過する場合には、幾何学的にこの値が求められます。

これは後内輪の旋回半径を2の平方根で除した値になります。

従って、今回の例では、2.12(後内輪の旋回半径)/ 2^0.5=1.5

back_htm_m47f0d764.png

3.5.前外輪が最もはらむ位置と後内輪が巻き込み始める位置は同じ

自サイドの場合、計算で求められた値を目安にすればよいが、逆サイドの場合、どのようにするか?

ミラーでは距離感を掴むのは難しい。

ここで、これまでの考察で明らかになった“前外輪が最もはらむ位置と後内輪の巻き始める位置は同じ”ということを利用する。

デモ走行など他人の走行を観察すれば、どこで最も前外輪が最もはらんでいるか確認できる。 この位置を目安にして後輪を巻き始めればよい。

back_htm_m48b6c5f7.png

4.確認事項

4.1.準備

諸元表や他人の運転から

  • 巻き始める位置、逆サイドの場合は、前輪が最もはらむ位置
  • 自サイドの場合、外側に必要な幅
  • 逆サイドの場合、内側に必要な幅

を確認

4.2.実践

自サイドの場合、

  1. 内側の幅を確保
    back_htm_m46935fd1.png
  2. 巻き始めの位置(角からどれくらいか)にきたらフルロック
    back_htm_4b01ab22.png

逆サイドの場合

  1. 外側(自サイド側)の幅を確保
  2. 巻き始めの位置(前輪が最も張り出す位置にリアタイヤがきたら)にきたらフルロック

注意:ミラーで逆サイドを確認する必要なし。


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2011-03-21 (月) 18:39:03 (2460d)